1.【同時廃止事件と管財事件の違い】
破産申立を行う場合，裁判所が事案に応じて①同時廃止と②管財に振り分けます。①同時廃止と②管財の違いは，大きくは次の通りです。
・違い１ 予納金
②管財事件の場合，裁判所が財産や負債の内容を調査するための破産管財人を選任します。管財人の費用として，２０万５０００円(※大阪地裁管轄の裁判所に申立を行う場合です。管轄が異なる裁判所に申立を行う場合には，予納金額も異なる場合があります。)が必要になります。
①同時廃止事件の場合は不要です。
・違い２ 管財人面談
②管財事件の場合，裁判所に破産申立を行った後，少なくとも一度は管財人の事務所に行き，管財人と面談を行う必要があります。
①同時廃止事件の場合はありません。
・違い３ 債権者集会
②管財事件の場合，裁判所に破産申立を行った後，少なくとも一度は裁判所に行き，債権者が出席できる場で裁判所に破産手続きの進捗状況等を報告する必要があります。
①同時廃止事件の場合はありません。
2. 【同時廃止事件と管財事件の振り分け】
次の事情がある場合には，原則として②管財事件に振り分けられます(※大阪地裁管轄の裁判所に申立を行う場合です。管轄が異なる裁判所に申立を行う場合には，振り分けの基準も異なります。)。
ⅰ 個人事業者
ⅱ 債務総額（保証債務および住宅ローンを除く）が３０００万円以上
ⅲ 手持の現預金が５０万円以上※
予納金の２０万５０００円も含めた合計額で判断します。
ⅳ 次の１２項目の財産に項目毎の合計額が２０万円を超えるものがある
①保険の解約返戻金
②積立金等
③敷金等
④貸付金・求償金等
⑤退職金
⑥不動産※
ローンが設定されている場合は，別途ローンの残額を考慮して同時廃止か管財かが判断されます。
⑦自動車
⑧上記以外の財産
⑨近日中に取得することが見込まれる財産
⑩過払金※
未回収の場合，額面額の合計が３０万円以下であれば同時廃止となります。
ｖ 法人代表者
上の基準には該当しなくても，裁判所が資産や債務の調査が必要と考えた事案等は管財事件に振り分けられることがあります。
自己破産をご検討の方は，自分の事案が①同時廃止なのか②管財なのか，適切な見通しを持って申立をすることが迅速な解決につながります。どんなことでも結構ですので，まずは弁護士にご相談ください。
弁護士法人英明法律事務所（大阪市（天王寺・あべのハルカス）・岸和田市）では、
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