【派遣元責任者の選任要件と職務】
派遣労働者は、雇用関係にある派遣元ではなく、目の行き届かない派遣先において就労するため、適正な雇用管理が確保されない恐れが生じます。そのため、派遣労働者の雇用管理上の責任者を明確にすることを目的として、派遣元責任者を選任しなければなりません。
[派遣元責任者の要件]
選任にあたって以下のような要件があります。
派遣元責任者講習を受ける
派遣元責任者になるためには、「派遣元責任者講習」を受講する必要があります。また、既に過去に講習を受けている人であっても、「過去3年以内に受講している人」しか派遣元責任者の職務を行うことが出来ませんので、受講から3年経過している人は、新たに受講しなければなりません。
一定の雇用管理経験が必要
派遣元責任者の職務を行うためには、「成年到達後、3年以上の雇用管理経験」がなければなりません。派遣元責任者講習を受けたとしても、雇用管理経験がない人は派遣元責任者になれませんので、注意が必要です。「雇用管理経験」は、具体的に次のような経験のことを言います。
・人事または労務の担当者(代表者や管理職など)
・派遣事業で、派遣労働者や登録者の労務を担当していた者
その他、次のような経験がある場合も派遣元責任者の職務を行うことが出来ます。
・成年に達した後、職業安定行政又は労働基準行政に3年以上の経験を有する者
・成年に達した後、民営職業紹介事業の従事者として3年以上の経験を有する者
・成年に達した後、労働者供給事業の従事者として3年以上の経験を有する者
派遣元責任者になれない場合(欠格事由)
次のような場合、派遣元責任者になることは出来ません。
・未成年、成年被後見人、被保佐人(被補助人は可能)
・破産者で復権を得ない者
・禁固以上の刑、刑法・労働法違反による罰金刑を受けた後5年を経過していない者
・派遣業の許可取消しから5年を経過していない者
[派遣元責任者の職務]
派遣元事業主は「派遣元責任者」を選任し、次に揚げる業務を行わせます。
- 派遣労働者であることの明示等
- 就業条件等の明示
- 派遣先への通知
- 派遣元管理台帳の作成、記載及び保存
- 派遣労働者に対する必要な助言及び指導の実施
- 派遣労働者から申出を受けた苦情処理
- 派遣先との連絡調整
- 派遣労働者の個人情報に関すること
- 当該派遣労働者についての教育訓練の実施及び職業生活設計に関する相談の機会
の確保に関すること
ア 段階的かつ体系的な教育訓練の実施に関すること
イ キャリア・コンサルティングの機会の確保に関すること
- 安全衛生に関すること
(派遣元事業所において労働者の安全衛生を統括管理する者及び派遣先との連絡調整)
[派遣元責任者の選任人数]
事業所の派遣労働者の数によって選任人数が定められています。
1人以上100人以下で一人、101人以上200人以下では二人以上というように、以降100人ごとに一人以上ずつ選任することとなっています。
(まとめ)
派遣業許可申請において、どのような場合が派遣元責任者に該当するのか、要件などについて判断が難しい場合があります。社労士法人Real&Cloudでは派遣業許可申請の代行手続きを行っています。
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