【労働者派遣事業におけるトラブルと苦情処理について】
派遣事業については、派遣元会社・派遣先会社・派遣社員の三者間の感情・価値観が交じり合うため、なかなかの難しさがあります。 特に派遣会社においては、お客様(派遣先)と派遣スタッフの板ばさみに合う事も、しばしば起こります。トラブルの苦情処理については労働者派遣法について規定されています。
[トラブルの事例]
派遣社員のトラブルについては以下のようなものがあります。
・労働条件(内容)と違う業務を指示された
・支払い金額が実際と違う
・望んでいる職種仕事になかなか就けない
・派遣先でイジメやセクハラにあった
・残業は出来ないといっているのにやらされた
・突然、明日から来なくて良いといわれた
・登録を辞めたのにいまだに連絡が入ってくる 等
[派遣社員からの苦情処理への対応について]
労働者派遣法には、派遣社員からの苦情処理への対応に関することが規定されており、派遣先には4つの対応が求められています。
① 労働者派遣契約書へ苦情処理に関する記載
派遣社員からの苦情に対応する者、苦情の処理方法に関することについて労働者派遣契約書へ記載しなければなりません。派遣社員を受け入れる所属長が苦情の申出を受けたりすることになる可能性が高いので、そのことを予め所属長にも理解させておいてください。苦情があったことやその内容を派遣元会社に連絡し、派遣先・派遣元の双方が連携をとって、適切かつ迅速な処理を図ってください。
② 派遣社員の受け入れの際の苦情処理の説明
派遣社員を受け入れる際には、派遣先会社が様々なことを説明する内容の一つとして、①の内容のことを含めておいてください。
③ 苦情の申出を受けたことを理由とする派遣労働者に対する不利益取扱いの禁止
派遣社員が苦情を申し出たことで、その者に対して不利益な取扱いをしてはいけません。
④ 情処理及び対応について派遣先管理台帳への記載
派遣労働者から派遣先に苦情の申出があったときには、派遣先管理台帳に苦情処理に関して記録を残しておかなければなりません。これは労働者派遣法にも規定されており、内容として苦情申し出のあった年月日、苦情の内容や苦情処理の経過、その結果などについて、対応の都度、適切に記録を残しておくことが必要です。
(まとめ)
個別案件ごとの予防措置も大切ですが、苦情処理について規定しておくなど運営体制の整備の完成を目指し、 従業員のスキルUPを図ることで、クレーム・トラブル対応は、確実に軽減されます。クレーム・トラブル解決という方向からみたときに、法令遵守はもちろん、運営体制の整備として、就業規則において徹底する必要がありそうです。
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