【免責について】
自己破産の目的は，破産申立までに発生した全債権（※一部例外もあります。）について返済する責任を免除するという免責許可決定を得ること，つまり，借金を返さなくてもよいようにすることです。
しかし，破産の申立をすれば誰でも免責許可決定を得られるわけではありません。破産法は，申立をしても免責が得られない場合を定めています。
【免責不許可事由について】
申立をしても免責が得られない場合は主に次の通りです。
・債権者への弁済に充てるべき財産（「破産財団」といいます。）を不当に減少させる行為をしたことがある
※ 意図的に破産申立直前の遺産分割で自分以外の相続人に全財産を相続させるような競技をした場合等です。
・無駄に債務を増やすような行為や，立替払いで購入した商品を転売する行為をしたことがある
※ ヤミ金からの高利での借入や，いわゆるクレジットカードのショッピング枠の現金化に該当する，クレジットカードで購入した商品を購入価格よりも安い価格で転売した場合等です。
・特定の債権者だけに，本来返済すべきではない時期に返済をしたり，契約通りではない物での返済をしたことがある
※ 特定の債権者だけに繰り上げ弁済をしたり，美術品をあげたりした場合等です。
・浪費又は賭博等をしたことがある
・以前に免責許可決定を得たり，民事再生手続きで減額した債務を完済したことがある場合で，免責許可決定や民事再生手続の再生計画認可決定の確定日から７年間経過していない場合
また，申立の前だけでなく，申立後も，裁判所に虚偽の説明等をするなど誠実に手続きを行わなかった場合には，免責許可決定がされないこともあります。
もっとも，これらの事情が免責を得られない理由になるには，どの程度破産手続きに至ったことに影響しているかも考慮されます。また，これらの事情が一つでもあったら破産の申立をしても意味がないというわけではありません。
その当時の事情や現在の反省の程度等を考慮して，免責許可決定がされることもあります。
債務整理の方法として自己破産を選択する際には，免責許可決定が得られるか，適切な見通しがあることが重要です。債務整理を検討されている方は，どんなことでも結構ですので，まずは弁護士にご相談ください。
弁護士法人英明法律事務所（大阪市（天王寺・あべのハルカス）・岸和田市）では、
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