【労働者派遣事業の適正な運営の確保に関する措置に係る手続 ④】
許可の有効期間の更新については、許可申請時に“許可の基準に適合していると認めるときでなければ、許可してはならない“と定められているのとは異なり、”許可の基準に適合していないと認めるときは許可の更新をしてはならない“とされています。
このため、許可申請時及び許可の有効期間更新時において適合していると認めた許可要件について特段の事情変更がないことを確認しなければなりません。
【労働者派遣事業の許可の有効期間の更新要件等】
更新の際の“特段の事情変更がないこと”の確認において判断される財産的基礎に関する許可基準の取扱いが定められています。主に以下の要件があげられます。
・許可申請事業主に関する財産的基礎
イ．資産(繰延資産及び営業権を除く)の総額から負債の総額を控除した額が 2,000万円に当該事業主が労働者派遣事業を行う事業所の数を乗じた額以 上であること。
ロ.aの基準資産額が、負債の総額の7分の1以上であること。
ハ.事業資金として自己名義の現金・預金が1,500万円に当該事業主が労働者派遣事業を行う事業所の数を乗じた額以上であること。
上記内容の他にも、小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置が規定されています。
また、更新前後の許可内容の同一性の判断としては、以下のとおり判断されます。
・更新前後の許可内容の同一性の判断
イ. 教育訓練のために既に利用されているか1年以内に利用することが確実であると認められる施設、機器等に教育訓練の機会の確保の観点から投資を行った結果、許可基準の一定要件を満たさなくなった場合は、負債の総額から当該施設、機器等に要した金額を控除して算定して差し支えない。
ロ. 専ら派遣の役務を特定の者に提供することを目的として行うものでないこと等に違反していないことについて審査する。
ハ. キャリア形成支援制度を有することについて許可の基準を満たす実施状況であったかを確認するとともに必要な指導を行い、計画はあっても実施されておらず、指導しても是正されないような義務違反がみられた場合は、許可基準を満たしていないとして、許可を更新しないこととする。
ニ. 派遣元管理台帳を活用すること。
ホ. 雇用安定措置について必要な指導を行い、それでも実施されないような義務違反がみられた場合は、許可を更新しないこととする。
（まとめ）
更新要件にあっては、資産要件を満たさないと不更新となります。キャリア支援などの基準についても有効期間内に前もって確認の上、派遣労働者の雇用安定を図る必要があります。社会保険労務士法人Real＆Cloudでは派遣許可事業の代行手続きを行っています。
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