（総論）懲戒解雇と普通解雇の違いについて
懲戒解雇と普通解雇は、使用者の一方的な意思表示によって労働契約を終了させるという点では違いはありません。では、その大きな違いはというと、懲戒解雇は、懲戒権の行使であり、就業規則に規定されており、労働者に周知されていることを前提に発動できるものになります。普通解雇は、就業規則に規定がなくとも民法に基づいて発動できるという点になります。
（各論）懲戒解雇と普通解雇の違いを細かく記載します。
・懲戒解雇について
懲戒権の行使が行われると、退職金、解雇予告義務が免除されます。これは、退職金については、労働基準法20条1項ただし書きにおいて、「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」という法律に基づいています。ただし、こちらについては、労働基準監督署の認定を受ける必要があります。
・普通解雇について
法律に基づいて行うものにはなりますが、それでも事由によっては、「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」に該当することもあります。トラブル防止のためにも就業規則等に懲戒規定を施行し、周知しておくことが望ましいことになります。
まとめ
懲戒解雇、普通解雇いずれにおいても法律や就業規則等の社内ルールに基づいて初めて行うことができるものになります。万が一の時というのは、いつ訪れるかわかりません。
また、懲戒権の行使は、実際にそれが妥当かどうか、その根拠は何かどうか、問われることになります。
常時10人未満の事業所であれば、就業規則の作成、届出義務がありませんが、就業規則は、会社を守るためのとても重要なツールになります。直近でトラブルに巻き込まれそう、過去に労使でトラブルを起こしている等なにかしらがある場合、早急に就業規則を作成しておくことをおススメします。
就業規則は、専門家である社労士がいますので一度ご相談からでもいかがでしょうか。
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