労働協約とは
労働協約とは、労働組合と使用者との間の労働条件その他に関する協定であり(労働組合法14条)、その法的性質は、一般的に、協約当事者間(労働組合と使用者)の契約であるとされています。
就業規則とは
これに対して、就業規則とは、事業経営の必要上使用者が一方的に定める職場の規律や労働条件に関する規則類をいいます。
両者の関係
労働協約が協約当事者間の合意で定めるものであり、就業規則が使用者が一方的に定めるものですので、どちらが優先させるかという問題が生じた場合、当然、使用者が一方的に定めた就業規則より合意で定められた労働協約が優先されることは明らかです。
そこで、労働組合法92条は就業規則は労働協約に反してはならないとし、労働協約の効力が就業規則の効力に優越していることを規定しています。
労働協約が就業規則よりも、労働者にとって不利益になる場合
労働協約が就業規則よりも、労働者にとって不利益になる場合にも、労働協約が優先すると考えられています。これは、労働協約よりも有利な労働条件を定める規定の効力を認めると、団体交渉における交渉力や労働協約の信用性が失われることが理由として挙げられています。
なお、裁判例で明確に判断されたものはありません。しかし、労働協約と就業規則にそれぞれ同一の規定があり、労働協約が不利益変更されたものの、就業規則の規定はそのままであった場合、労働協約が適用されることしているという下級審判例があることからすれば、判例では、労働協約が就業規則よりも、労働者にとって不利益になる場合にも、労働協約が優先すると考えているものと評価することができるでしょう。
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