懲戒処分に時効と懲戒処分について
懲戒処分自体に時効の規定はありませんが、事実を把握しておきながら長期間にわたり懲戒処分を行っていない場合は、合理的な事由がない限り、懲戒権を乱用したものとして無効になる可能性があります。事由が発生した際は、速やかに就業規則等に基づき、処分を行うことが求められます。
1. ここでは、過去の事例を紹介します。
・(最判平18.10.6)
7年以上前の暴行事件を理由とした諭旨退職処分を無効とした事例
・(東京地判平22.9.10)
5年前の某大学の学長選挙期間中に学長選挙に立候補していた理事を誹謗中傷する文書を教職員等に配布・送信した行為を理由とした懲戒処分を無効とした事例
・(東京地判平22.3.27)
2年前のセクハラを理由とした懲戒解雇を無効とした事例
2. まとめ
懲戒処分を決定数歳は、事由発生から速やかに調査、審議、決定をしていくことが求められます。懲戒処分を発生させた本人も処分があるかないか、落ち着かない思い出勤務することになりますし、事案の発生を知る他の従業員からしても、会社に不信感を抱くことになります。また、処分を見送ることでも「前回の時は〇〇だったのに今回はなぜ?」といったことにもつながり、従業員の不満が発生します。
処分の決定は会社の秩序を保つためなので一定のルールは必ず必要になってきます。
ルールがないとそれぞれの事由に対してどうしてそのような処分になったのかという客観的根拠を示すことができず、判断基準のブレにつながります。
実際、懲戒処分を行う際は、就業規則等に基づき行うことになるので、常時10人未満で作成、届出義務がない事業所であっても会社を守るためのツールとして就業規則を整備しておくことが万が一の備えになります。
就業規則は、懲戒処分に関わらず、労働契約の部分その他会社の全体のルールを記載するものになるので、気になることがある場合、専門家である社労士に一度ご相談されてはいかがでしょうか。
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