【役務とは】
サービス業では、実際にモノを売るのではなく、何かの体験といった“サービス”を売っています。代表的なものとして、映画館、遊園地、習い事の教室、予備校、旅行会社などが挙げられます。
このようなサービスのことを、簿記では「役務」といいます。そして、サービス提供による売上を「役務収益」、仕入を「役務原価」という勘定科目で仕訳します。
【役務収益と役務原価の発生時期】
役務収益と役務原価、いずれも、サービス提供を完了した時点で計上します。数か月前から企画する海外旅行ツアーや、数か月にわたって実施する講習では、「前受金」「仕掛品」という勘定科目もつかって仕訳します。
《役務収益の使い方》
例)
旅行会社で、3/20~3/25の海外旅行ツアーを企画した。ツアー参加費用は一人20万円で、10人のお客が申込した。
現金 2,000,000 / 前受金 2,000,000
昨日、無事にツアーが完了した。
前受金 2,000,000 / 役務収益 2,000,000
《役務原価の使い方》
例)
旅行会社で、3/20~3/25の海外旅行ツアーを企画した。ツアー客のための航空チケット代・宿泊費・食事代として100万円支払った。
仕掛品 1,000,000 / 現金 1,000,000
昨日、無事にツアーが完了した。
役務費用 1,000,000 / 仕掛品 1,000,000
【決算をまたぐとき】
サービス提供中に決算がきてしまったときは、サービス提供割合に応じて役務収益・役務費用を計上します。たとえば前払い制の全10回の講義において、決算日までに6回分が実施されていれば、全体の6割にあたる収益を「役務収益」に計上し、のこり4割は前受金のままとなります。
【まとめ】
サービス業においては、モノの売買とは異なる勘定科目をもちいて仕訳をおこないます。起業する際などは自社の提供するサービスにあわせた対応が必要です。
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