【総論】
外国人の方が日本に上陸しようとした場合，原則として法律で決められた出入国港において入国審査官の上陸審査を受けなければなりません。
上陸審査は，不法入国者など、我が国にとって好ましくない外国人の方の上陸を阻止し，公正な入国管理を行うために不可欠なものです。外国人の方は，上陸審査を受け，旅券に上陸許可の証印を受けることによってはじめて合法的に上陸することができるのです。ですので、上陸審査を受けない外国人の方は，合法的に上陸することができず，許可を受けないまま上陸すれば不法入国又は不法上陸に該当し，退去強制の対象となるほか，刑事罰の対象となります。
【上陸が認められる要件】
① 有効な旅券及び日本国領事官等が発給した有効な査証（ビザ）を所持していること
② 申請に係る活動（日本で行おうとする活動）が偽りのものでないこと
③ 我が国で行おうとする活動が，入管法に定める在留資格のいずれかに該当すること
また，上陸許可基準のある在留資格については，その基準に適合すること
④ 滞在予定期間が，在留期間を定めた施行規則の規定に適合すること
⑤ 入管法第５条に定める上陸拒否事由に該当しないこと
以上が、外国人の方が上陸を認められる要件です。
イメージとしては、「身元がはっきりしていて、日本に来る目的が明確かつ妥当で、日本（国民）に迷惑をかけない人」といったところです。おそらくご自身の家に他人を入れる時の事をイメージしていただければ、どのような外国人の方が上陸できるかは何となく理解できるのではないでしょうか。
【上陸拒否事由】
① 保健・衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者
② 反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者
③ 我が国から退去強制を受けたこと等により上陸を認めることが好ましくない者
④ 我が国の利益又は公安を害するおそれがあるため上陸を認めることが好ましくない者
⑤ 相互主義に基づき上陸を認めない者
以上が上陸拒否事由です。公衆衛生，公の秩序，国内の治安等が害されるおそれがある外国人の方の入国・上陸を拒否する内容となっております。
【参考文献】
・入国管理局ホームページ
・「よくわかる入管手続 基礎知識・申請実務と相談事例 第5版 佐野秀雄・佐野誠 著
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