【預金の仮差押えとは】
民事保全制度には、仮差押えや仮処分等種類があります。中でも仮差押えは相手方の預金債権や不動産等の財産を仮に差し押さえる手続きです。
預金の仮差押えをする場合は、いくつか要件があります。
一つは、相手方が不動産を所有していないことです。相手方の預金が判明していても、相手方が不動産を所有している場合、預金の仮差押の保全の必要性が認められません。相手方が不動産を所有している場合、不動産から仮に差し押さえなければなりません。
もう一つは、相手方がどこの銀行のどこの支店に預金を有しているのか判明している必要があります。預金の仮差押えの場合、第三債務者は銀行で、第三債務者の送達先は銀行の支店になります。
【預金の仮差押えの申立てに必要な書類】
申立書正本、疎明資料、印紙・郵券、目録の提出を管轄の裁判所に提出します。弁護士が代理する場合、委任状も必要になります。
印紙の金額は一つの申し立てにつき、2000円です。
郵券の金額は、債務者や第三債務者の数によって変わってきますので、事前に確認しておきましょう。
目録とは、申立書に添付する当事者目録・請求債権目録・仮差押債権目録等のことです。申立書に添付する1通のほか、決定正本用に当事者の数プラス1通を裁判所に提出します。
また、相手方が不動産を所有していないことを証明するために、相手方の住所地の土地建物の不動産登記事項証明書、不動産の場所・地番を確認するためにブルーマップの写しの提出が必要です。
上記の他に、当事者が法人の場合、資格証明書として登記簿謄本等が必要になります。また、銀行の支店の確認のため、支店のホームページ等の写しを提出します。
【預金の仮差押えの申立て後の流れ】
預金の仮差押の申し立ての完了後、裁判所での書面審査がおこなわれます。訂正等がなければ、大阪地方裁判所本庁の場合、裁判官との面接(債権者面接)が入ります。債権者面接がない裁判所もあります。
裁判所での審査や債権者面接の後、担保決定の告知がおこなわれます。 担保すべき金額が裁判所から告知されますので、現金供託の場合は、法務局で供託します。
法務局での供託の手続きが完了したら、供託書を裁判所に提出します。大阪地方裁判所本庁での保全事件の場合、供託書の原本を提出しますので、提出前に控えとして写しを取っておくことをおすすめします。いつころ裁判所に供託書を提出できるか、事前に裁判所に連絡しておくことで、スムーズにその後の手続きを行うことができます。
裁判所に供託書の提出が完了しましたら、裁判所から保全命令が発令されます。保全命令が発令されますと、仮差押決定正本が送達されます。大阪地方裁判所本庁の場合、直接受け取る方法もありますし、郵便での送達を受けることも可能です。郵便での送達を希望される場合は、郵券を追納する必要があります。
【預金の仮差押申立事件の利用】
民事保全の手続きは、緊急性のある事件であり、迅速に手続きが進められていきます。申立から立担保がスムーズにいった場合、数日で保全命令の発令までいくこともあります。
預金の仮差押申立事件でお悩みの方は天王寺の弁護士法人英明法律事務所にご相談ください。
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