事業再構築補助金とは?公式Q&Aをわかりやすく解説!
経済産業省中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」にて、事業再構築補助金のQ&Aが公開されています。
事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応する、企業の思い切った事業再構築を支援するための補助金制度です。
どのような制度であっても、申請にあたってはさまざまな質問やお問い合わせを頂戴しております。
ここでは、ミラサポplusで公開されているQ&Aを元に、その解説を行います。
▼Real&Cloudグループでは、IT導入補助金の申請のサポートを行っております。
【2021年】事業再構築補助金申請支援を行います!
基本を総ざらい!そもそも事業再構築補助金とは?
事業再構築ってどういう意味?
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、売上や需要の減少など、事業経営を取り巻く環境が大きく変化しました。
事業再構築とは、そうした環境の変化に対応し、事業展開、規模の縮小や拡大、新分野への展開、業態転換などのことを指します。
細かな事例は、下記ページにも詳しく掲載しています。
補助金の対象となる経費にはどんなものがある?
補助対象になる経費の一例は下記のとおりです。
建物撤去費、設備等撤去費、建物改修・リフォーム費、建物費、機器・設備費、システム購入費、リース費、外注費、原材料費、研修費、専門家経費、技術導入費、知的財産権等関連経費、運搬費、クラウドサービス利用費、広告宣伝費・販売促進費
また、社用車などの車両、パソコンやタブレット、汎用性の高いものは対象外になる可能性が高いです。
これは他の補助金でも同様です。
補助金の申請資格にはどんな要件がある?
1.申請前の直近6カ月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、コロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
2.事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取組む中小企業等。
3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人あたり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成
これらを少し簡単にすると、
・新型コロナウイルスの感染拡大以前より、売上が下がってしまっている
・認定支援機関や金融機関などと一緒に、事業計画をつくり、再構築に取り組む
・生産性向上を目的とし、達成できる見込みのある事業計画である
となります。
申請にはすべての要件の達成が必要になりますが、対象となる事業は非常に多いと想定されています。
公募開始はいつから?続報:時期発表あり!
1月28日の参議院予算委員会にて、「3月から公募申請の受付を開始」と発表がありました。
事業再構築補助金については補正予算の成立後、3月に申請受付を開始することを目指しております。現在詳細設計を行っているところであります。どのような事業が補助金の対象となるのか、わかりやすくお示しするための指針や想定事例につきましても、募集開始前に公表するように準備をしているところであります。ホームページ、SNSなども活用して広報して参りたいと考えております。
公募期間はいつまで?募集回数はどのくらいある?
公募期間は令和四年度末(2023年3月末)までと発表されました。
基金形式で実施されるため、複数年にわたる公募が予想されています。
募集回数については現段階では未発表です。
事業再構築補助金の採択率はどの程度?
2021年2月初旬段階では、公募要領等が未発表のため、採択率については判断ができません。
ただし、1月28日に発表された「令和2年度「中小企業等事業再構築促進事業」に係る事務局募集要領」には、
間接補助事業の採択件数 55,000件程度
とあります。
これにより、補助金の公募や交付事業といった関節補助事業の採択件数が55,000件程度であると判断できます。
申請から交付決定はどのくらいかかる?
事業再構築補助金の申請に必要なGビズIDは、申請から発行まで2~3週間程度かかります。
申請から交付決定まで、詳細なスケジュールは公募要領の発表後に目安がわかるものと思われます。
なお、事業計画の提出から採択発表、交付決定までは、長ければ半月ほどかかる可能性があります。
審査のポイントはどんなところにある?
審査項目やポイントは、現段階では未発表です。公募要領の発表され次第、弊社でも分析を開始します。
募集項目である下記三点のポイントが、事業計画書のなかで明確に示されているか、という点が大きなカギとなるでしょう。
・自社の強みや経営資源を活かしているかどうか
・事業再構築指針に沿っているかどうか
・生産性向上を目指し、付加価値額が上がるような収益性の高い取り組みであるかどうか
審査の加点・減点項目はある?
現段階では、加点・減点の詳細な項目は不明です。
ただし優先採択される事業者として「緊急事態宣言による影響を受けたことを証明する事業者」が発表されています。
この証明をどのように行うのかは未発表であり、その他の項目についても現段階では不明です。
事業再構築補助金の審査体制は?
第三者委員会による審査であると発表されています。
ものづくり補助金では「採択審査委員会」という第三者委員会が審査を行っていました。
受託事業者(筆者注:事務局のこと)が補助事業の公募に対する採択を行う場合には、経済産業省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定経営革新等支援機関等と策定した中小企業等であることを確認するとともに、第三者委員会を設置し、当該委員会による審査を行い、大臣及び基金設置法人に対して協議しなければならない。
事業再構築補助金の申請方法は?
事業再構築補助金は、電子申請での受付を予定しています。
電子申請にはGビスIDが必要で、申請から発行までに2~3週間ほどかかります。
郵送など、その他の方法で申請できるかどうかは未発表です。
事業再構築補助金の申請書の書き方はどうすればいい?
現段階では、公募要領や申請書も公開されていないため、不明です。
2021年3月以降の公募要領公開後、弊社のオンラインセミナー等で書き方や記入例を例示する予定です。
事業再構築補助金に返納義務はあるの?
付加価値額の要件が達成できなかった場合、補助金の一部の返還を求められる可能性があります。
基金設置法人募集要項には、以下の記載があります。
事業計画において求める事業終了後 3~5 年での付加価値額が年率平均3%以上増加すること等の目標を達成できなかったときは、補助金額の一部の返還を求める場合がある
ただし、
・要件のどの程度達成できなかったか
・どの程度の金額を返還しなければならないのか
といった、詳細な条件は未発表です。
ものづくり補助金・小規模事業者補助金のちがい
Real&Cloudグループは、「ものづくり補助金」「小規模事業者補助金」といった補助金の申請支援サポートを行ってきました。
これらの補助金と事業再構築補助金との違いは、下記の三点にあると考えています。
①事業改革の程度
②将来的な事業規模の伸び率
③投資金額の大きさ
今回の事業再構築補助金は、ものづくり補助金・小規模事業者補助金よりも、上記三点の程度が大きいです。
申請支援コンサルティングを見極めるポイントは?
事業再構築補助金公募要領のひとつに、「認定支援機関や金融機関などと一緒に、事業計画をつくり、再構築に取り組む」というものがあります。
申請支援をはじめとするコンサルティングを受ける場合には、以下の点を注視しましょう。
・過去に、事業の立ち上げや事業計画書の作成、補助金申請支援サポートなどに経験・実績があるかどうか
・認定支援機関であるかどうか
Real&Cloudグループには、税理士、行政書士をはじめとしたあらゆる士業の専門家が在籍しています。
申請書の作成や送付も行えますので、お気軽にご相談ください。
事業再構築補助金にまつわる公式資料
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/seicho/pdf/jikkoukeikaku_set.pdf
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2020/1208/shiryo_03.pdf
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/hosei/pdf/hosei3_yosan_pr.pdf
https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/11458/
https://www.meti.go.jp/press/2020/01/20210128002/20210128002.html
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/jigyo_saikoutiku.pdf?0125
公式Q&Aを解説!どこよりもわかりやすい事業再構築補助金
Q1.事業概要を教えてほしい。
新分野展開や業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等の事業再構築に意欲のある中小企業等を支援する事業です。
詳細についてはPR資料(p.19)PDFファイルや概要資料PDFファイルをご確認ください。
「新分野展開、業態転換、事業・業種転換…」の具体的な指針は今後公開される見込みですが、資料によると補助金の対象となる経費がとても幅広いことがわかります。
- 美容室が通販で、着付けレンタル事業を開始するためのシステム費用
- 売上が激減した飲食店が、客席や厨房等の設備を縮小して経費を節減する。一方で、オンライン上で注文を受付できるサービスを導入し、宅配や持ち帰りにも対応。
- 小売店が店舗への来客数減少に伴い、売上が激減したことを契機に店舗を縮小、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換する。
- 宿泊客数が激減し、ホテルの稼働率が低下している中、テレワークの拡大を受け、客室をテレワークルームやコワーキングスペースに改造し不動産賃貸業に業種転換
業種や分野を問わず、さまざまな取り込みに活用できる補助金として、数万社以上の利用が見込まれています。
Q2.申請はいつから始まるのか
現時点では未定です。
今後、国会での第3次補正予算のご審議・成立を経て、事務局等を選定し、公募の準備を進めることとなります。
可能な限り早期に公募開始できるよう、準備してまいります。
事業再構築補助金は令和2年度第3次補正予算において実施予定となっています。
第3次補正予算は2021年1月中の成立が見込まれているため、早ければ2月にも公募時期が発表されると思われます。
続報:3月に公募開始予定となります。詳細は3月に発表される予定の公募要領を確認してください。
Q3.事業再構築補助金の申請に必要なGビズIDプライムはどのように取得するのか。
GビズIDは、1つのID・パスワードで様々な行政サービスにログインできるサービスです。
GビズIDのHP外部リンクにある「gBizIDプライム作成」からアカウント発行申請ができます。
GビズIDプライムの発行には、申請から通常2~3週間要します(発行申請の状況によっては、3週間以上要する場合がございます)。
本補助金のご活用をお考えの方は、事前のID取得をお勧めします。
公募開始時期は未定ですが、申請にはjGrantsという電子申請システムを利用するようです。
GビズIDはこちらから作成できます。
解答にも記載のとおり、発行には時間を要します。申請を予定されている方は必ずIDの作成を行うようにしましょう。
Q4.事業再構築指針や公募要領はいつ公表されるのか。
現時点では未定です。
事業者の方々が事前に申請の準備をしていただけるよう、公募開始前には公表することを予定しております。
第3次補正予算は2021年1月中には成立する予定です。早ければ2月には詳細が発表されるでしょう。
ただ、公募がはじまる前に、こうした情報が開示される事例はそうありません。
補正予算が成立次第、間を置かずに公表されるものと予想されます。
Q5.中堅企業の定義はあるのか。
現時点では未定です。
公募要領等で提示いたしますのでもうしばらくお待ちください。
今回の事業再構築補助金制度では、中小企業が応募できる「通常枠」、中小企業が中堅企業へと成長を目指す場合等に利用できる「卒業枠」、さらに中堅企業が応募できる「グローバルV字回復枠」といったプランが設けられています。
この「中堅企業」についてはこれまでも法的なルールが定められていませんでした。こちらも早ければ2月中に公表される見込みです。
Q6.小規模事業者や個人事業主も対象となるのか。
対象となります。
支援の対象となる中小企業の範囲は、中小企業基本法と同様となります。
中小企業だけでなく、小規模事業者や個人事業主であっても事業再構築補助金が利用できます。
この情報はQ&Aではじめて明言されており、これによって事業再構築補助金を利用できる事業主様がより多くなりました。
Q7.認定支援機関とは何か。
「認定経営革新等支援機関」のことを指します。
詳細は中小企業庁のホームページに掲載されている「認定経営革新等支援機関一覧外部リンク」をご覧ください。
認定支援機関とは、国が認定する公的な支援機関を指します。
今回の補助金の対象要件のひとつに、「経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等と策定した中小企業等」とありますが、これは認定支援機関のサポートや支援を受けながら事業再構築に取り組む、ということです。
Real&Cloudグループも認定支援機関です。
弊グループには弁護士、行政書士、社労士、税理士といった士業のエキスパートが在籍しているため、安心してご相談いただけるほか、補助金の受給まで徹底的にサポートいたします。
Q8.卒業枠とは何か。
事業再構築を通じて中小企業から中堅企業又は大企業へ成長する事業者を支援する特別枠となります。
通常枠に比べて、補助上限額を1億円まで引き上げ、より手厚い支援を行います。
卒業枠を利用する事業者は①事業再編等、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし中堅企業又は大企業へ成長していただくことが条件となります。
通常枠とは異なり、卒業枠ではより大きな成長を遂げ、中堅企業・大企業を目指す会社に大きな補助がなされます。
なお、卒業枠は400社限定の採用、グローバルV字回復枠は100社限定の採用枠が定められています。
Q9.売り上げ減少要件の「コロナ以前」とはいつを想定しているのか。また、「任意の3か月」は連続していなければならないのか。
売上高減少要件の具体的な確認方法や考え方は、公募要領等で詳細を提示いたしますのでもうしばらくお待ちください。
また、「任意の3か月」は連続している必要はございません。
事業再構築補助金の対象要件のひとつに、「申請前の直近6カ月間のうち、売上高が低い3カ月の合計売上高が、コロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等」とあります。
この「3カ月」は連続している必要がないと明言されていますので、たとえば、9月・11月・1月の売上を前年の売上と比べ、下がっていれば申請ができる、ということではないかと考えられます。
Q10.ものづくり補助金などの他の補助事業との併用は可能か。
原則として、同一の事業や機械装置等に対して、複数の国の補助金を受給することはできません。
ただし、他の国の補助事業とは別の事業を行う場合は、補助対象となり得ます。
この事業再構築補助金に限らず、同じ事業の同じ経費に、二つ以上の補助金制度を使うことはできません。
Q11.認定支援機関への報酬は必要か。また、報酬は補助対象となるのか。
中小企業庁が認定支援機関への報酬を必須とするような要件は設けていません。
それぞれご利用頂く機関と御相談下さい。
また、補助金申請の際の資料作成に係る経費(認定支援機関に対する事業計画策定のためのコンサル料等)は補助対象外となります。
Real&Cloudグループでは、着手金無料、完全成果報酬での支援を行います。報酬は補助金額によって変動いたします。
Q12.申請に際して、概要資料の「対象」に記載されている3点(①売上高の減少 ②認定支援機関等と事業計画を策定 ③付加価値額の増加)は全て満たす必要があるのか。
全て満たす必要があります。
③については、当該条件を満たす事業計画を策定していただくこととなります。
これまでにも解答したとおり、
- 売上の減少
- 認定支援機関のサポートを受ける
上記二点のほかに、「付加価値額の増加」という対象要件をすべて満たすことで、事業再構築補助金を申請することができます。
付加価値額の増加とは、「補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%( 一部5.0%) 以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%( 一部5.0%) 以上増加の達成」ということです。
つまり、申請時に今後の伸び率を示すような計画を作成し、提出する必要があります。過去に別の補助金制度でも同じような計画の提出を求められています。
Q13.付加価値額の定義は何か。また、付加価値額増加の要件を達成できなかった場合、補助金の返還等のペナルティはあるのか。
付加価値額の定義は、営業利益、人件費、減価償却費を足したものとする予定です。
補助金の返還等のペナルティについては、現時点では未定です。
付加価値額とは、自社で生み出した商品やサービスに独自の価値をつけ、数字で示したものです。
端的に捉えるならば、「営業利益+人件費+減価償却費」が、年率で3.0%以上増加している必要がある、ということになります。
また「ペナルティについては未定」とありますが、上記の要件が達成できなかった場合、補助金の返還などのペナルティがある可能性があります。
要件未達成の場合どのような条件がつくのか、申請時には必ずチェックしておくようにしましょう。
補助金受給までのサポートは、Real&Cloud グループにおまかせください!
Real&Cloud グループ 認定支援機関 税理士法人Real&Cloud
TEL:0120-100-817
Email:hojokin@rc-gr.jp
営業時間 平日 午前9時~午後18時
※メールでのご返答にはお時間をいただく場合がございます。お急ぎの方はお電話にてご相談ください。
※事業再構築補助金は公募前です。情報が公開され次第、弊社よりご連絡させていただきます。